新卒教員の教科書

教師としての『教科書』がない。だったら自分で作ればいいんだ!そういう思いから始めました。

政治

選挙なんて意味ないんじゃないかな ~カウンターデモクラシーについての覚書~

選挙なんて意味ないんじゃないか…。 高校生の頃から感じていた疑問とは裏腹に、「選挙に行こう」という標語が日常生活の至る所で散見された。特に2015年に選挙権年齢が引き下げられてから、18歳選挙権を推進する運動で世間は大きく盛り上がった。しかし、そ…

教育の原理

国家の働きは多岐にわたる。税金の徴収、公共財の提供・管理、法律の作成・承認、治安維持、はたまた外交・軍事まで、日常生活から国家の安全保障まであらゆることを担っているのが国家なのだ。では、そこでの重要な事柄を決めているのは誰なのか。議会制民…

文書改竄は何が問題なのか

権力は腐敗する、とは19世紀英国のアクトン卿の言葉である。100年以上前の発言ではあるが、現代の民主主義社会においても大きく示唆に富む言葉である。 森友学園を巡る財務省の文書改竄問題が報道を賑わせている。まるで政権の政治生命を左右するかのような…

説明責任について①

政治学において説明責任という言葉がある。説明責任はアカウンタビリティーといい、アカウンティング(説明)とレスポンシビリティー(責任)を合わせた造語である。この言葉は元々アメリカで生まれたものであり、アメリカ大使館によれば次のように定義され…

表層的な禁止

10年間ながらも東京23区内の大学定員抑制が閣議決定された。東京への人口一極集中を是正し、衰退が叫ばれる地方大学への進学者を増やすことを狙いとしている。人材育成等に取り組んだ地方大学などへ補助金を支給するそうだ。 www.jiji.com この政策を見て「…

主権者を養うためには

次の高等学校学習指導要領では主権者教育の推進が謳われるようだ。「公民」の中で新たに設置される「公共」は主権者教育の推進の鍵となる科目である。以下は記事の一部抜粋である。 「公民」の中に必修科目として新設される「公共」は「様々な選択・判断をす…

自由民主主義の価値

中国が目覚ましいスピードで発展を遂げている。台頭する中国を賛美する声が増えていく一方で、日本やアメリカなど自由民主主義諸国の凋落ぶりを嘆く声が聞こえない日はない。しかし、それでも私は声を大にして言いたい。自由民主主義にはそれ自体価値がある…

韓国は「自由」民主主義国家か

今月10日、韓国が日韓合意に関して一方的な新方針を打ち立てた。文在寅大統領は、合意に関して「再交渉は求めないが、真実と正義という原則に立った解決を促す」と謳った。日韓合意は「最終的かつ不可逆的な解決」ではなかったのだろうか。 日本と韓国は自由…

政治参加の意義

フランス革命に大きく影響を与えたルソーは次のような言葉を残している。 「イギリスの人民はみずからを自由だと考えているが、それは大きな思い違いである。 自由なのは、議会の議員を選挙する間であり、議員の選挙が終われば人民はもはや奴隷 であり、無に…

柳田の真意(前回の記事の補足)

前回の記事の中で 柳田国男の言う一人前の選挙民は生み出されていないように思う。というのも、一人前の選挙民とは、新聞を批判的に読む能力を有する者であり、新聞離れが顕著な現状において新聞を批判的に読むどころか触れない者が増えいているのだから、一…

柳田の理想と教育界のサボタージュ

民俗学者の柳田国男は、戦後に新設された社会科の目標を「一人前の選挙民をつくること」とした(西内裕一「『柳田社会科』の目標と内容についての考察」)。 ここでいう一人前とは、手紙が書ける程度の平凡な能力、そして新聞が読め、世間の動向を把握できる…

安定した政治のための工夫

アメリカでは大統領選挙の真最中である。ドナルド・トランプ氏が共和党の正式候補となり、民主党の正式候補となったヒラリー・クリントン氏と激戦を繰り広げている。世界最強国家の首長を決定するだけあって、アメリカ国内だけでなく世界中から、次のリーダ…

新しいアメリカンドリーム

人は夢を見る。夢は、多くの人を魅了する。1867年のロンドンでマルクスは『資本論』を発表し、それ以降、彼の思想は世界中の人を魅了していった。そして、現在でもなお、大西洋を隔てたアメリカでも、マルクス主義から発展した社会主義を掲げる人物が人々を…

「国民」って誰のこと?

headlines.yahoo.co.jp 平成27年9月15日、学生団体SEALDs代表の奥田愛基君が参議院特別委員会の公聴会で意見陳述を行った。その中で彼は、「国民」の多くが安保法制に反対している趣旨の発言をしていた。以下は彼の意見陳述の一部である。 ①「この安保法制に…

1つのEU、2つの立場

www.sankei.com 衝撃的な写真が世界中を駆け巡った。浜辺に横たわるシリア人男児の遺体写真である。男児の名はアイラン・クルディくんだ。欧州への渡航途中に乗っていたボートが転覆し、母親と兄と共に無残な姿で打ち上げられた。生存の保障を求め、ヨーロッ…

民主主義と有権者の態度

アメリカ大統領選挙が始まった。最新の世論調査によれば、共和党候補の中でドナルド・トランプ氏がトップを独走しているようだ。 思うに、氏がトップを独占している大きな理由はその発言の歯切れの良さだろう。例えば、「米国を再び偉大な国にしよう(Make A…

国民国家の限界

ドイツ:首相、難民の受け入れに意欲「成し遂げる」 - 毎日新聞mainichi.jp ヨーロッパに大挙して押し寄せてきている人々がいる。彼らは、中東や北アフリカなどの地域からの難民である。そして、彼らの目的地は、ヨーロッパの盟主ドイツである。そのあまりの…

権力を支える自覚

高校生の時から、私の周りで政治に関心を抱く人は、ほとんどいなかったように思う。大学の日常会話で政治の話題を出した時には、相手の顔がたちまち曇っていった。「どうせ投票したって、何も変わりはしない から話すだけ無駄だよ」という友人の言葉が今でも…