実践する思考

主に社会科学と教育に関して、また読んだ本の書評も書いていくつもりです。

政治

敷居は徐々に低くするもの

討議民主主義という試みがある。市民が話し合いのうえで合意し、合意は政策決定の過程で考慮されなければならないというものである。現在の単純に投票を重視する民主主義とは異なり、市民の討議の結果を政策に反映することが重視されている。2010年前後に、…

政治参加の意義

フランス革命に大きく影響を与えたルソーは次のような言葉を残している。 「イギリスの人民はみずからを自由だと考えているが、それは大きな思い違いである。 自由なのは、議会の議員を占拠する間であり、議員の選挙が終われば人民はもはや奴隷 であり、無に…

柳田の真意(前回の記事の補足)

前回の記事の中で 柳田国男の言う一人前の選挙民は生み出されていないように思う。というのも、一人前の選挙民とは、新聞を批判的に読む能力を有する者であり、新聞離れが顕著な現状において新聞を批判的に読むどころか触れない者が増えいているのだから、一…

柳田の理想と教育界のサボタージュ

民俗学者の柳田国男は、戦後に新設された社会科の目標を「一人前の選挙民をつくること」とした(西内裕一「『柳田社会科』の目標と内容についての考察」)。 ここでいう一人前とは、手紙が書ける程度の平凡な能力、そして新聞が読め、世間の動向を把握できる…

安定した政治のための工夫

アメリカでは大統領選挙の真最中である。ドナルド・トランプ氏が共和党の正式候補となり、民主党の正式候補となったヒラリー・クリントン氏と激戦を繰り広げている。世界最強国家の首長を決定するだけあって、アメリカ国内だけでなく世界中から、次のリーダ…

新しいアメリカンドリーム

人は夢を見る。夢は、多くの人を魅了する。1867年のロンドンでマルクスは『資本論』を発表し、それ以降、彼の思想は世界中の人を魅了していった。そして、現在でもなお、大西洋を隔てたアメリカでも、マルクス主義から発展した社会主義を掲げる人物が人々を…

「国民」って誰のこと?

headlines.yahoo.co.jp 平成27年9月15日、学生団体SEALDs代表の奥田愛基君が参議院特別委員会の公聴会で意見陳述を行った。その中で彼は、「国民」の多くが安保法制に反対している趣旨の発言をしていた。以下は彼の意見陳述の一部である。 ①「この安保法制に…

1つのEU、2つの立場

www.sankei.com 衝撃的な写真が世界中を駆け巡った。浜辺に横たわるシリア人男児の遺体写真である。男児の名はアイラン・クルディくんだ。欧州への渡航途中に乗っていたボートが転覆し、母親と兄と共に無残な姿で打ち上げられた。生存の保障を求め、ヨーロッ…

民主主義と有権者の態度

アメリカ大統領選挙が始まった。最新の世論調査によれば、共和党候補の中でドナルド・トランプ氏がトップを独走しているようだ。 思うに、氏がトップを独占している大きな理由はその発言の歯切れの良さだろう。例えば、「米国を再び偉大な国にしよう(Make A…

国民国家の限界

ドイツ:首相、難民の受け入れに意欲「成し遂げる」 - 毎日新聞mainichi.jp ヨーロッパに大挙して押し寄せてきている人々がいる。彼らは、中東や北アフリカなどの地域からの難民である。そして、彼らの目的地は、ヨーロッパの盟主ドイツである。そのあまりの…

権力を支える自覚

高校生の時から、私の周りで政治に関心を抱く人は、ほとんどいなかったように思う。大学の日常会話で政治の話題を出した時には、相手の顔がたちまち曇っていった。「どうせ投票したって、何も変わりはしない から話すだけ無駄だよ」という友人の言葉が今でも…